科目要項

2024年度科目要項

【単 位 の 履 修 に つ い て】

履修について

新入生は2年間(2年編入の場合は1年間)の神学基礎コースを開始することになります。
神学基礎コース修了後、神学専門信徒宣教者養成コース、または神学専門教職養成コースに進むことができます。神学基礎コースで選択だった科目が、神学専門のコースで必修となっていることもあります。お確かめください。
なお、卒業要件単位数は、卒業必要な単位の最少限を示したものですから、これだけ履修すれば十分という意味ではありまん。各自の関心や課題に基づいて、積極的に科目を履修してください。

 

寿現場学習について

神学専門コースの必修科目でもあるため、3、4年生を優先としますが、神学基礎コース2年生でも履修可能となります。
実習を受け入れてくださる寿地区センターの事情により履修者は6人までとしています。時間は毎週金曜日午前8時〜15時です。なお、交通費は地区センターから支給されるものを差し引いた額を学校と履修者が折半で分担することになります。
なお、2024年度は不開講とします。

 

農業実習・農村伝道論について

農業実習ⅠとⅡは神学校の農場での履修となります。新入生はⅠは必修、Ⅱは選択になっています。農業実習Ⅲは選択科目として、栃木県西那須野にあるアジア学院にて8月末〜9月末の約3週間集中して行なうことができます。詳しくは科目要項をご覧ください。

 

コミュニティーワークと黙想について

コミュニティーワークは第2火曜日2限目です。それぞれ分かれての作業をします。ボランタリーに携わる経験を通して「共同体の一員であること」について学習してもらうためにあえて単位にはしてありませんが、校地整備のためにも、参加にご協力ください。
今年度の黙想は木曜日5限目です。新入生は必修です。それ以外の学生は選択です。また履修届けを出さずに参加することも自由とします。

 

履修対象学年について

講師名の次に記された( )内の数字が履修対象学年です。

農村伝道神学校教師会

 

聖書神学

※科目要項をクリックすると内容を閲覧できます。

旧約聖書概論(4単位)高柳 富夫(1〜4)

<講義の概略>

 この授業の目的は、「旧約聖書とは何か」、旧約聖書を生み出した「イスラエルとは何か」を追究することにあります。そのために、旧約聖書の歴史的研究、考古学的研究、文学批評、聖書神学を総合的に考察し、旧約聖書を歴史的・批判的に読むことに取り組みます。
旧約聖書の信仰思想は歴史と切り離して、無時間的に扱うことはできません。古代イスラエル史、すなわちイスラエルの決定的始まりである出エジプト時代(前12~13世紀)からマカベア時代(前2世紀)のユダヤ教後期における文学に至るまでを視野の中に収めて考察します。
教科書としてB. W. アンダーソン著『旧約聖書』―物語られた歴史-新教出版社、2023年を用います。この書は、古代イスラエルの信仰を理解する最良の方法として、物語と歴史の相互に関連し合う側面を考察しています。旧約聖書を構成している諸伝承の歴史と、現在私たちが手にしている聖書の最終的な文学様式との相互の関連を考察するものです。
旧約聖書の言葉が、現代の「生」に対して投げかけている問いを受け止め、世界と人生の意味について差し掛けている光に照らされる経験を共有していきたいと思います。
受講者は、一年を通じて旧約聖書全体に親しみ、よく読み、各部分と共に全体を理解・把握するよう心掛けてください。教科書としては上記のものを用いますが、聖書そのものを読むことに代わるものはありません。

〈教科書〉

• 「新共同訳聖書」日本聖書協会
• B. W. アンダーソン著『旧約聖書』-物語られた歴史-高柳富夫訳、新教出版社、2023年。(訳者割2割引で購入できます。)

〈参考書〉

• 並木浩一・荒井章三編「旧約聖書を学ぶ人のために」世界思想社、2012年
• W・H・シュミット著、木幡藤子訳「旧約聖書入門 上・下」教文館1994、2003年
• 木田献一著「旧約聖書の概説」リトン、1995年
• 石田友雄、木田献一他著「総説旧約聖書」日本基督教団出版局、1984年
• その他、授業の中で適宜紹介する。

新約聖書概論(4単位)原口 尚彰(1~4)

<講義の概略>

新約聖書学全体への導入として、時代史的背景(政治史、文化史)、福音書・書簡文学の研究法、イエスの生涯、初代教会史、新約各書の成立年代・場所と文学的・神学的特色についての基礎的知識を学ぶ。新約聖書概論は新約釈義と新約神学を学ぶ基礎を形成するので、しっかりと学ぶことが大切である。

<教科書>

原口尚彰『新約聖書概説』教文館、2020年(オンデマンド版)

<参考書>

G・タイセン(大貫隆訳)『新約聖書ー歴史・文学・宗教ー』教文館、2003年
荒井献他『総説 新約聖書』、日本基督教団出版局、1981年
大貫隆・山内眞監修 『新版 総説新約聖書』、日本基督教団出版局、2003年
浅野淳博『新約聖書の時代』教文館、2023年

旧約聖書釈義(4単位)高柳 富夫(2〜4)旧約概論既習者

<講義の概略>

創世記1章から11章までの釈義を通して、釈義とは何か、釈義の方法と実際を学習することを目的とします。ヘブライ語本文の釈義をできる限り細密におこないますので、ヘブライ語文法履修者および現在文法履修中の者、また旧約概論履修者を対象とします。
通時的研究(様式史、伝承史、編集史)と共時的研究(文学的構造分析や修辞論的研究)の総合を視野に入れながら、原初史の主題とその神学的意味を考察します。
釈義と黙想を経て、釈義者各自の状況(現場)からどのようなメッセージを聴き取りまた語るのかに至るまで、ディスカッションすることを大切に進めます。後期は毎回履修者に順番に釈義の発表を課します。七十人訳、ウルガタ、各種近代語訳、各種日本語訳など、履修者が用いる事のできるテキストを駆使して釈義を行い、学習成果を分かち合います。
出席と授業への参加度(発表、質問、意見表明など)を重視します。

<成績評価>

出席を重視する。学年末に釈義と説教のレポートを課する。

<教科書>

Biblia Hebraica Stuttgartensia(必要箇所のコピーを配布する)
『聖書』新共同訳(日本聖書協会)
『創世記』旧約聖書翻訳委員会訳(岩波書店)

<参考書>

『創世記』月本昭男著(日本基督教団出版局)
『新しい創造の神学』B.W.アンダーソン著 高柳富夫訳(教文館)
『いま、聖書を読む』高柳富夫著(梨の木舎)
『旧約聖書』-物語られた歴史- B.W.アンダーソン著 高柳富夫訳(新教出版社)
その他、授業の過程で適宜指示する。

ヘブライ語文法1・2(前後期、各2単位)飯郷友康(1〜4)

<講義の概略>

一年かけて、ヘブライ語を勉強しましょう。
まず、文字と発音をおぼえて、数のかぞえかたや辞書の引き方を学びます。
それから、文法を学びます。
他言語との比較も行います。
講師は、なるべく分かりやすい授業を目指します。

〈教科書〉

「ヘブライ語文法」の教科書は、とりあえず必要ありません。

〈参考書〉

『ドラえもん はじめての国語辞典』第2版(日本語の辞典としてとても有用です)

旧約原典(通年4単位)飯郷友康(ヘブライ語文法既習者)

<講義の概略>

「旧約」とは何か、「原典」とは何か、ということから共に考えつつ、 旧約原典を一年かけて、学びましょう。

〈教科書〉

受講者が普段用いている聖書をお持ちください。それ以外は授業の中で提示します。

〈参考書〉

よい参考書がありましたら、ご紹介ください。情報を共有しましょう。

ギリシャ語文法1・2(前後期、各2単位)原口尚彰(1〜4)

<講義の概略>

新約聖書は古代ギリシア語で書かれているので、原典を読むにはギリシア語の知識が不可欠である。本講義は一世紀の地中海世界で用いられたギリシア語(コイネー)の基本を一年掛けてしっかりと学ぶ。具体的には、教科書を用いながら文法構造の基本を確認すると共に、発音と文法構造に注意しながら練習問題を解くことによって、ギリシア語の文章を読む練習をする。

〈教科書〉

大貫隆『新約聖書 ギリシア語入門』、岩波書店、2004年

〈参考書〉

土岐健治『新約聖書ギリシア語初歩』教文館、1999年

歴史神学

日本宗教史(前期2単位)近藤伸介(1〜4)

日本古来のアニミズム的な神々への信仰に始まり、六世紀の仏教の流入、その後神道と仏教はどのように共存し、日本人の宗教心を形成してきたのか、そうした日本の宗教の歴史について講義します。日本では、明治維新後、キリスト教の布教が許されてきたにも関わらず、隣国の韓国と異なり、キリスト教人口は低いままにとどまっています。それはなぜなのか。私の専門は仏教ですが、この講義を通して、キリスト教を学ぶ皆さんと一緒にこの問いについて考えてみたいと思っています。また、卒業後、日本においてキリスト教を伝えていくみなさんが神道と仏教について知るきっかけとなる授業にしたいと思っています。

〈教科書〉

なし。特に教科書は指定せず、毎回テーマを設定し、対話形式で進めていきます。

〈参考書〉

必要に応じてそのつど紹介していきます。

アジアキリスト教史 (通年4単位)明治学院大学にて(1~4)

明治学院と協約を結び、明治学院で開講される「アジアキリスト教講座」を履修できることになっています。「アジアキリスト教講座」は一般市民向けの講座であるため、必ずしも「アジアキリスト教史」とは直結しないテーマのときもありますが、履修希望者は教務までお問合わせください。
2024年度は原則火曜日の18時40分~20時10分、春秋計20回の開講予定。受講料は免除。定員は5名まで。会場は明治学院大学白金校地。
内容と日程は、以下のとおりです:
第1回(5/7) 「近現代韓国におけるキリスト教の明暗」 徐正敏(明治学院大学教授)
第2回(5/14)「宣教師が見た中国社会」 渡辺祐子(明治学院大学教授)
第3回(5/21)「台湾キリスト教の多様性と特殊性」 高井ヘラー由紀(台湾南神学院助理教授)
第4回(5/28)「日本の国学とキリスト教受容」 嶋田彩司(明治学院大学教授)
第5回(6/4) 「永井隆「長崎の鐘」の功罪」 篠崎美生子(明治学院大学教授)
第6回(6/11) 「遠藤周作とキリスト教」 増田斎(京都ノートルダム女子大学非常勤講師)
第7回(6/18)「アジア神学の課題としての身体」 植木献(明治学院大学准教授)
第8回(6/25)「近現代日本のユダヤ教理解」 高木久夫(明治学院大学准教授)
第9回(7/2) 「宗教音楽比較〜仏教とキリスト教〜」 長谷川美保(明治学院オルガニスト)
第10回(7/9)「アジアの視点から聖書を読む」 永野茂洋(明治学院大学副学長)
第11回(10/1)「潜伏キリシタンとは何か」 倉田夏樹(立教大学日本学研究所研究員)
第12回(10/8)「近世日本のキリシタン」 吉岡拓(明治学院大学准教授)
第13回(10/15)「近代日本におけるキリスト教の土着化をめぐって」 久保田浩(明治学院大学教授)
第14回(10/22)「カンボジア紛争の歴史とキリスト教」 宇井志緒利(明治学院大学非常勤講師)
第15回(10/29)「キリスト教の人類学」 池田昭光(明治学院大学助教)
第16回(11/5)「近代日本の児童文学とキリスト教」 柿本真代(京都華頂大学准教授)
第17回(11/12)「旧制高等学校におけるキリスト教主義学生寮の文化」 田中裕介(明学専任講師)
第18回(11/19)「近代朝鮮に見る米国北長老派の宣教と政治」李省展(恵泉女学園大学名誉教授)
第19回(11/26)「ドイツ人宣教師エミール・シラー博士の日本での働き」國津信一(明学非常勤講師)
第20回(12/3)「アジアとキリスト教の出会いと歴史の課題」 徐正敏(明治学院大学教授)

グローバルキリスト教史(2単位、集中講義:2月上旬)大倉 一郎(1~4)

<授業の概略>

1.グローバル(global)宣教のキリスト教史
キリスト教の宣教活動は、初期からグローバル宣教史として捉えることが可能である。しかし、キリスト教がグローバル世界史において抜きがたい歴史的存在となるのは、西ヨーロッパを焦点にみた場合、大航海時代以降である。その時代から、現代にまでつながる人類の有機的包括圏ともいえるグローバル世界が形成され始めた。そのグローバル世界の形成と密接に関連しながらローマ・カトリック宣教とプロテスタント宣教は展開した。以上のような鳥瞰にたって、この授業は、ローマ・カトリック宣教とプロテスタント宣教をとりあげて宣教活動の軌跡と宣教神学の思想を理解することを目的にしている。
2.植民地主義と脱植民地主義の相克を視座としたキリスト教宣教史
大航海時代以降のグローバル世界史の基軸は、主に西欧諸国による植民地主義と被征服諸民族の脱植民地主義の相克の動きだった。授業は、その視座に立って、ラテンアメリカでのキリスト教宣教、さらに北米大陸でのキリスト教宣教をとりあげて、宣教の動向と思想を概観する。とりわけ宣教における植民地主義の克服という課題に焦点をあてる。その課題は、現代では宣教のパラダイム転換を求める主張となって神学の展開に大きな影響を及ぼしている。南北新大陸宣教を概観した後、眼差しを近現代のアジア・アフリカ、さらに日本におけるキリスト教宣教に向ける。とはいえ、限られた時数で長大な歴史と広大な地域と膨大な事項を扱うことは、もとより限界がある。そこで宣教活動とその神学的省察に焦点を当てて、時代のエポックをなす活動や思想をピックアップして学ぶ。
なお、この授業は、<教科書>欄に記すテキストに基づいて進める。テキストは授業以前(11月上旬頃)に配布するので予習しておくことが必要。予習を前提に講義を行う。

<授業の予定>

1.グローバル宣教史をめぐって
1-1. 宣教をどのように理解するか―ボッシュの宣教史研究
1-2. グローバル宣教史という視座
2.グローバル宣教史の概観
2-1. ローマ・カトリックのグローバル宣教―中南米での軌跡
2-2. プロテスタントのグローバル宣教――南アフリカ、インドでの軌跡
3.第二世界大戦後の世界宣教
3-1. プロテスタント―世界宣教会議と世界教会協議会
3-2. ローマ・カトリック―第2ヴァチカン公会議
4.被収奪地域からの宣教の神学の台頭
4-1. ラテンアメリカ解放の神学・米国黒人解放の神学
4-2. 南アフリカ解放の神学、ラテンアメリカのフェミニスト神学
4-3. 日本における解放の神学
5.戦後の日本の教会の宣教
5-1. 日本基督教団
5-2. 歴史的聖書学―田川聖書学と宣教実践へのチャレンジ
5-3. 社会的関与における宣教
6.次に向かう道―質疑と対話
6-1. 現代における神義論の問いから宣教を考える
6-2. 授業のふりかえり

<教科書>

履修生には予習教材として教務を通じて事前配布します。
大倉一郎『農伝講義テキスト グローバル宣教史と戦後日本の教会2023年版』大倉研究室、2023。

〈参考書〉

以下の参考書を自習しておくと授業の学びを助けます。各自でチャレンジしてみてください。「*」は農伝図書館に配架されているはずです。
1. 各地域史及び植民地史。
清水透『ラテンアメリカ五〇〇年―歴史のトルソー』岩波書店、2017。
網野徹哉『興亡の世界史 インカとスペイン帝国の交錯』講談社、2008。
峯陽一『南アフリカ「虹の国」への歩み』岩波書店、1996。
ユルゲン・オースタハメル『植民地主義とは何か』論創社、2005。
マルク・フェロー『植民地化の歴史―征服から独立まで/一三~二○世紀』新評論、2017。
2. 各論入門書及び原典史料。
染田秀藤『ラス=カサス』清水書院、1997。
バルトロメ・ラス・カサス『インディオは人間か』岩波書店、1995。
染田秀藤・篠原愛人 監修『ラテンアメリカの歴史―史料から読み解く植民地時代―』世界思想社、2005。
*関西学院大学キリスト教と文化研究センター編『キリスト教平和学事典』(「アパルトヘイト」「デズモンド・ツツ」)2009。
Kairos Document: Theological Comment on the Political Crisis in South Africa. CIIR; Revised Version 1986.
3. 神学研究および宗教研究書
*グスタボ・グティエレス『解放の神学』岩波書店、1985。
*レオナルド・ボフ/クロドビス・ボフ『入門 解放の神学』新教出版社、1999。
*アルバート・ノーラン『南アフリカにいます神―福音の挑戦』南窓社、1993。
*デイヴィッド・ボッシュ『宣教のパラダイム転換 下』新教出版社、2001。
*平良修『沖縄にこだわりつづけて 新版』新教出版社、2005。
平良修『私は沖縄の牧師である』沖縄恨之碑の会、2015。
4. 講師の関連論文・訳書
*大倉一郎「福島恒雄の北海道キリスト教史研究に関する一考察―『北海道キリスト教史』への応答と評価をめぐって―」『福音と社会』紀要第32号、農村伝道神学校。
*大倉一郎「賀川豊彦と北海道農民福音学校」『福音と社会』紀要第33号、農村伝道神学校。
*フロイド・ハウレット著/大倉一郎訳『教会教を越えて―ハウレット宣教師が北海道で見つけたもの―』日本キリスト教団出版局、2021。

<成績評価>

期末レポート試験による評価を行う。ただし、全出席日数の3分の1を超える欠席がある場合や提出の遅延は原則としてレポートを受理しない。

近現代日本史 Ⅰ(前期2単位)杉山 弘(1~4)

<講義の概略>

人間の営みは、いつの時代も社会とともにあります。人びとが、時間と空間を共有する小さな共同体(ムラ)が社会の始まりでしたが、やがてより広く、より大きな社会へと変化してゆきました。「近代」あるいは「現代」とは、時間と空間を共有する社会が地球規模(世界)にまで拡大した時代です。
「近現代日本史」という科目名には、近現代の日本の社会を、同時代の世界との関係から眺めてゆこうという意図を込めました。
2024年の「近現代日本史Ⅰ」では、「信仰と地域社会」をテーマに、1870年代から1930年代までをたどります。ここでいう「地域社会」とは、身近な社会のことですが、日本の社会を構成する単位とも考えられます。地球規模の社会(世界)、そして日本の社会、さらに地域社会という3つの次元の異なる社会を念頭に、神仏分離、文明開化期のプロテスタント、丸山教の創成、ムラと巫女、宗教とハンセン病医療などの話題を通して、近現代日本史への視点を養います。
授業では、レクチャーとディスカッション、史料の音読やフィールド・ワークをおこないます。
なお、近現代日本史の科目にはⅠとⅡがありますが、Ⅰ、Ⅱの順で履修されなくても(Ⅱ、Ⅰの順でも)、支障はありません。
また、フィールド・ワーク(土曜日実施)を1回、予定しています。

<教科書>

特定の教科書は使用しませんが、必読文献は講義中に紹介するか、コピーを配布します。

古代中世教会史(通年4単位)浜田華練(1~4)

<講義の概略>

この授業では、1年間かけて1世紀(使徒による布教~原始教会形成期)から15世紀ごろまでのキリスト教教会の歴史を学ぶ。キリスト教の歴史というと、5世紀末の西ローマ帝国瓦解以降は、西欧を中心に語られることが多いが、現在の地理区分で言うところの中東において、キリスト教徒の共同体はこの地域でイスラームが優勢になった後も命脈を保ち、現代でもその後継を自認する東方の諸教会が存在している。また、東ローマ世界に広がったキリスト教は、現在では東方(ギリシア)正教会と呼ばれ、現代のキリスト教世界における一大勢力となっている。この授業では、ただ通史的に歴史の流れを追っていくだけでなく、様々な時代・地域のキリスト教徒がどう生きたか、当時の史料を手掛かりにロールプレイングをしながら学んでいく。

〈教科書〉

教科書は特に指定せず、重要なテキストは授業時に都度配布する。

〈参考書〉

ロバート・ルイス・ウィルケン(著)/大谷哲ほか(訳)『キリスト教一千年史:地域とテーマで読む』(上)・(下)、白水社、2016年
三代川寛子(編)『東方キリスト教諸教会:研究案内と基礎データ』、明石書店、2017年
藤崎衛『ローマ教皇は、なぜ特別な存在なのか:カノッサの屈辱』、「世界史のリテラシー」シリーズ、NHK出版、2023年

日本基督教団史(前期2単位)瀬戸英治(1~4)

<講義の概略>

日本基督教団の成立と以後の歩みを概観し、日本基督教団の対立の構造を明らかにし、対立を乗り越える方策を考える。
・日本基督教団の成立と戦争協力
・終戦後の歩み―教派問題と教団信仰告白の成立
・教団紛争―万博問題と東神大機動隊導入問題
・沖縄キリスト教団との合同とその捉え直し
・阪神淡路大震災と教団の対応を巡って
・「信仰告白による一致」と公同教会宣言
・「聖礼典の乱れ」キャンペーンと教師免職処分問題
・「教会派」と「社会派」という対立構造からの脱却

<教科書>

なし(授業ごと、資料等を配布します)

<参考書>

日本基督教団史資料集 全5巻 日本基督教団宣教研究所教団史史料編集室編纂
ほか、そのつど紹介します。

組織進学

キリスト教概論(前期2単位)小手川到(1〜4)

<講義の概略>

本講は、「神学する」ための様々な手掛かりを紹介し、基礎的な神学の足腰を鍛えることを目的とする。「神学する」とは、著名な神学者の「○○の神学」を受け売りすることではない。教義や教理などを鵜呑みし丸暗記することでもない。あなた自身の神学を全身全霊で丁寧に構築していく試みである。しかしそれは独りよがりであってはならない。あなた自身の神学が、他者や社会や歴史と対話可能なものとなっているか、常に批判的な態度を怠らない謙虚さと検証が求められる。
キリスト教とは何か。あなたは何を信じているのか。他者の理解するキリスト教とあなたの理解するキリスト教とは、何が一致し何が異なっているのだろうか。キリスト教と他宗教との関係をどう考えればよいか。これらの問いに対する答えを一緒に探っていきたい。受講する学生は、自らの信仰について他の受講生たちと分かち合うことから始める。共に学び、語り合うことを通して、他者との、また神との出会いが豊かにされていくことを願っている。

<教科書>

『聖書』新共同訳(日本聖書協会)
『信じる気持ち―はじめてのキリスト教』冨田正樹著(日本キリスト教団出版局)
『そうか なるほど キリスト教』荒瀬牧彦/松本敏之監修(日本キリスト教団出版局)

<参考書>

『洗礼を受けるあなたに キリスト教について知ってほしいこと』(日本キリスト教団出版局)
『聖書時代史(旧約篇)』山我哲雄著(岩波書店)
『聖書時代史(新約篇)』佐藤研著(岩波書店)
『神学のよろこび ―はじめての人のための「キリスト教神学」ガイド』、アリスター・E・マクグラス著 芳賀力訳(キリスト新聞社)
『キリスト教神学入門』A・E・マクグラス著 神代真砂実訳(教文館)
その他、授業の過程で適宜指示する。

霊性とキリスト教倫理(通年4単位)石井智恵美(1〜4) 

<講義の概略>

「霊性」は、体・心・魂という人間の存在の根幹に関わるテーマであり、多岐にわたる理解をキリスト教の歴史の中でされてきたテーマである。昨年までは、その霊性訓練として瞑想を行ってきたが、今年度はその前提となるキリスト教霊性の歴史を前期でたどることとする。初期教会からはじまって、修道会や宗教改革期、近代における霊性理解、また、現代における霊性理解を深める中で、実際の霊性訓練に取り組む前提となる作業を行う。前期において霊性の理解を深めつつ、共に瞑想の実践を行う。従って出席を重視する。(欠席は2回まで)履修者には学期末レポートが求められる。
後期は、前期で扱った霊性の理解を前提とした上で、現代の課題である気候変動危機と霊性のつながりを考える。昨年と同様に、サリー・マクフェイグの『ケノーシス―大量消費社会と気候変動危機における祝福された生き方』を取り上げる。エコロジー神学は人間中心の見方から生きとし生けるものを中心にしたパラダイムの変換を私たちに迫る。「ケノーシス(自己無化)」の生き方は、同様に自己中心的な生き方からの転換を求めるものである。霊性と倫理の結びつきを「ケノーシス(自己無化)」の生き方を通じて模索してゆきたい。履修者には発表と学期末レポートが求められる。

<教科書>

前期 P.シェルドレイク『キリスト教霊性の歴史』(2010、教文館)
後期 サリー・マクフェイグ『ケノーシス―大量消費時代と気候変動危機における祝福された生き方』(2020、新教出版社)

組織神学特講 (後期2単位)有住航(1〜4)

<講義の概略>

テーマ: 農伝の環境を神学する––––環境危機、脱-人間主義、植物の神学––––
農伝校地のナラ枯れが深刻化している背景に、近隣のスタジアム建設にともなう大規模開発によって、里山全体の力が弱まっていることが指摘されています。これらの環境危機に対応するために、里山の環境改善プログラムがはじまり、ゆたかな生物多様性を回復する取り組みが行われています。それでは、神学という営みはこの課題にどのように向き合い、取り組むのでしょうか。
じゅうらい神学は、「神」あるいは「神の言葉」のみを主題とし、それ以外の事柄を二次的なものとして退けてきました。1960年代のラテンアメリカに芽吹いた解放の神学は、その伝統に対して「(疎外された)人間とその経験」を神学の主題にすることを提唱しました。けれど、そこにおいてもなお見過ごされてきたのは、自然・環境・生態系をめぐる主題です。
この授業では、自然・環境・生態系に関する事柄を神学の主題とし、(解放神学を含む)伝統的な神学を批判的に検討しながら、現在の農伝の状況(コンテクスト)のなかで神学することをめざします。これまでなされてきた自然神学をめぐる議論を参照しつつ、新しい哲学的潮流である「植物」を主題にした哲学や脱人間主義的なアプローチからおおくを学びながら、農伝における、農伝で営む神学を一緒にかたちづくりたいと思います。
講義は、参加者によるテクスト精読と相互討論によってすすめます。初回の講義で担当を相談し決定します。

<教科書>

エマヌエル・コッチャ(崎嶋正樹訳)『植物の生の哲学––混合の形而上学』、勁草書房、2019年。

〈参考書〉

授業内で適宜指示します。

教憲教規 (後期2単位)瀬戸英治(4)

<講義の概略>

(1)教憲・教規によって法的に形付けられている日本基督教団・教区・教会・信徒を学ぶ。
(2)戦前の宗教団体法下の日本基督教団成立から、現教憲・教規の条文の意味を学ぶ。
(3)教憲・教規と宗教法人法の関連を学ぶ。
(4)補教師検定試験の準備をする。

<教科書>

(1)日本基督教団『教憲教規および諸規則』(最新版) 日本基督教団出版局
(2)『宗教法人法』日本基督教団事務局
(3)『教師検定試験問題集』日本基督教団教師検定委員会

〈参考書〉

『宗教法人法の諸手続き』(日本基督教団事務局)
『教憲教規の解釈に関する洗例集』(日本基督教団信仰職制委員会)

「キリスト教とは」(後期2単位)教師会(4) 不開講

不開講

宣教学

実践神学特講(前期2単位)有住航(1〜4)

<講義の概略>

テーマ: パレスチナ解放の神学––––反シオニズム、脱植民地化、交差性––––
2023年10月7日から、キリスト教徒が「聖地」とよぶ歴史的な土地に、おびただしい数の爆弾が降り注ぎ、数えきれない痛み、涙、死が積みあげられています。〈10.7〉のガザ蜂起と、それに対するイスラエルの軍事侵攻は、しかし、なんの前触れもなくとつぜん起きたわけではありません。過去一世紀にわたるシオニズム運動の植民地主義と、過去半世紀にわたるイスラエルの軍事占領と構造的暴力の帰結として、〈10.7〉は起こりました。
シオニズム運動、そしてパレスチナの軍事占領に、キリスト教は過去も現在も大きく加担しつづけ、その暴力を正当化してきました。このことを批判的に問うことと共に、現在進行するパレスチナへの占領と略奪の現実に目を凝らし、それらを正当化するシオニスト・イデオロギーと対峙したいと思います。
パレスチナでは過去半世紀にわたってさまざまな解放闘争がくりひろげられてきました。また、パレスチナに生きるキリスト教徒たちによって、パレスチナ解放の神学の営みもつづけられています。それらの闘いに学びつつ、あるべき連帯と応答の可能性を考えたいと思います。

<教科書>

在日本韓国YMCA編『交差するパレスチナ––新たな連帯のために』、新教出版社、2023年。

<参考書>

授業内で適宜指示します。

教会音楽 (前期2単位)小海基(1〜4)

〈講義の概略〉

1997年に出された『讃美歌21』は、それまで使われていた1954年版『讃美歌』から43年ぶり大改訂された画期的なものでした。その全体像を学びます。教材は講師が作成した資料を用いますが、毎回その資料とその日指定された賛美歌の作者の背景について受講者が日本基督教団讃美歌委員会編『讃美歌 21略解』(日本基督教団出版局)等で調べ発表した上で、歌っていく形で進めます。参加者は『讃美歌21』(教団出版局)を持参のこと。受講者には最後に賛美歌作成に挑戦していただきます(作詞か作曲、あるいはその両方)。それをレポートとして提出してもらいます。
1)「世界の賛美歌のデモンストレーションビデオを見る」
2)「『讃美歌21』の理念」
3)「壁を崩した賛美歌-ベルリンの壁崩壊30年の年に」
520「真実に清く生きたい」、419「さあ、共に生きよう」、424「美しい大地は」、369 「われら主にある」、
293「こころを一つに」、410「昇れよ、義の太陽」、375「賜物と歌を」、409「すくいの道を」、480「新しい時をめざし」、*ベートーヴェン交響曲第9番より(バーンスタイン)
4)「受難劇と賛美歌-オーバーアマガウの年に」
87「罪なき子羊」、310、311「血しおしたたる」、313「愛するイェス」、295「見よ、十字架を」、294「ひとよ、汝が罪の」、293「救いのぬしは罪もなしに」、447「神のみこころは」、215「心をはずませ」、63の4節、「天のごとく地にも」、569「今やこの世に」、 306「あなたもそこにいたのか」(ハーレムルネサンス)、*バッハ「マタイ受難曲」BWV244 より
5)「詩編歌の世界—日本の賛美歌はいつまでも花鳥風月に留まっていて良いのか?」
113「いかに幸いなひと」、155「山べにむかいて」、156「目を上げ、私は見る」、459「飼い主わが主よ」、120「主はわがかいぬし」、131「谷川の水を求めて」、132「涸れた谷間に野の鹿が」、579「主を仰ぎ見れば」、161「見よ、主の家族が」、162「見よ、きょうだいが」、113「いかに幸いな人」、164「バビロンの流れの」、*塩田泉神父「キリストの平和」(『こどもさんびか』34)より
6)「敗戦後から再出発する賛美歌」
46「すべての人よ」(テゼ共同体)、175「深い川を越えて」(ハーレムルネサンス)、333「主の復活、ハレルヤ」、372「幾千万の母たちの」、373「戦い疲れた民に」(マーシュチャペル)、398「光さす朝」、444「気づかせてください」、480「新しい時をめざし」、488「この世に造られた」(ダコタ)、374「おやすみよ」、398「光さす朝」、371「このこどもたちが」
7)「最期の賛美歌・白鳥の歌」
434・435「しゅよ、みもとに」、533「どんなときでも」、469「善き力にわれかこまれ」、「こどもさんびか」37(2)「さよならグッバイ」、91「神の恵みゆたかに受け」、112「イェスよ、みくにに」(テゼ共同体)、385「花彩る春を」180「去らせたまえ」、*バッハ カンタータ BWV82「われ足れり」より
8)「飼い葉桶と十字架」
264「きよしこの夜」、244「キリストは明日おいでになる」(ヒムイクスプロージョン) 243「闇は深まり」(クレッパー)、254「小鳥も飛び去る冬のさなか」(ヒューロンキャロル)、256「まぶねのかたえに」(ルター)、273「この聖き夜に」(クレッパー)、272「おやすみなさい」(アラル)、229「いま来たりませ」、246「天のかなたから」、*バッハ クリスマスオラトリオ BWV248より
9)「コラールの王、コラールの女王–コラールの世界」
230「『起きよ』と呼ぶ声」(コラールの王)、276「あかつきの空の美しい空よ」、160「深き悩みより」、317「主はわが罪ゆえ」、377「神はわが砦」、11「感謝にみちて」、75「今、装いせよ」、7「ほめたたえよ、力強き主を」
10)「ヒム・イクスプロ―ジョン(賛美歌爆発)の衝撃」
104「愛する二人に」、82「今こそここに」、304「茨の冠を主にかぶせて」、563「ここにわたしはいます」、375「賜物と歌を」、542「主が受け入れてくださるから」、439「暗い夜」、364「いのちと愛に満つ」
11)「それなら私も賛美歌を作ってみよう(賛美歌創作)」

キリスト教教育(通年4単位)比企敦子(1~4)

〈講義の概要〉

キリスト教教育と聞くと、子どもを対象とした教会教育と捉える方が多いと思います。教派によっては「成人科」との名称で、教会教育として位置づけています。キリスト教教育は、幼児・児童・青年に限られるものではないと思います。教会に集うひとりひとりは年齢を問わず新たな視点や気づきが与えられ、それは生涯続きます。教会教育として成人科を置いている教派では、教会員が共に学びあいます。常に教職者が教える立場で信徒は教職者から学ぶという図式も問われるように思います。共に学びあうことは豊かさに繋がると思います。その意味でも、これまで私たちが受けたキリスト教教育を検証しつつ、少人数の良さを活かせるような授業形態にしたいと思います。
ここでは、キリスト教教育を、教会教育・平和教育・人権教育と捉えます。まず、明治期からの日本の教会教育の歴史を概観すると共に、私たちに託されているキリスト教教育の課題について考えます。日本では、日曜学校から教会や学校に発展した事例も多く、1907年日本日曜学校協会(NSSA)設立後は教派を超えた日曜学校運動という伝道運動となりました。
1920年開催の「第8回世界日曜学校大会」という政財界や宮内省と一体化した国家的イベントを経て翼賛的な流れに組み込まれ、聖書の言葉を用いて子どもたちを戦争協力へと誘導するに至りました。そのような流れとなった原因や背景を探ります。
戦後、日本基督教団議長名による戦責告白が表明されましたが、教団「前史」の学びはとても重要です。日本の教会が辿った歴史は、朝鮮半島やアジア諸国への植民地支配抜きには考えられません。政権や政策に無批判なまま取り込まれていった流れの背景を探りつつ、今日も続く天皇制、「日の丸・君が代」の強制、歴史教科書問題、道徳の「教科化」などについて考察します。
道徳は、2018年からは小学校で、2019年からは中学校で道徳が評価を伴う正式な教科となり、キリスト教学校では聖書の授業を読み替えています。「文部省訓令第12号」「私立学校令」などによって宗教教育が禁止された歴史をもつ日本において、注視すべき事態です。
更に、信教の自由や人権を侵害する諸問題や自らの内にある差別意識や偏見への気づきと共に、この時代におけるキリスト教教育としての人権教育について確認したいと思います。
講義の最後には、「NCC教育部平和教育資料センター」を見学します。後期はゼミ形式で共通の書籍をテキストとして読みすすめます。履修開始の時期により、前年度と同様の内容にはならないこともあります。テキストは履修者の方と相談して決めます。これまで使用したテキストは以下です。プリント資料、ビデオを使用し、推薦書籍類は別途掲載します。

〈教科書〉

・『教会教育の歩み─日曜学校から始まるキリスト教教育史』教文館2007年
・『目はかすまず 気力は失せず 講演・論考・説教』関田寛雄 新教出版社212年
・「NCC教育部平和教育資料センター」NCC教育部2017年
・「キリスト教教育週間と子どもたち─戦前・戦中・戦後の歩み」NCC教育部 2017年

農村伝道論 (通年4単位)池迫直人(1〜4)

<講義の概要>

だれにも食欲があり、それを悪とは言わない。しかしふたりの人がいる場で、ひとりがすべての食を我が物にすれば、他者との関係に破綻を来たす。人間にはだれにも生まれながらに欲望がある。それが罪の根源である。(「善の根拠」南直哉著)さらには所有した食物を独占することを可能にするのは力(知的および物理的)に裏打ちされる。そこに支配被支配の関係がうまれる。善悪は関係性の概念である。キリスト教は、善悪を所与の概念として理解する傾向が強い。本講では、哲学の一領域である倫理学を簡単に学ぶ。受講者も講師も絶えず自らを相対化することを心がける。同時に、農村共同体と教会論・宣教論を随時、考察する。
次に農業といういとなみを根源的に考える。人類の歴史をたどれば、農業は、都市国家文明の基盤であることがわかる。その頂点に神官があり、知的な力を持って体制を築き上げる。商取引のための文字の発明、都市国家にある安定を保証するために法の整備を行う、内外に安定・統制を維持するために軍隊の常設、国家間の戦争がはじまる。神官からの命令に服従する者に対して、身体の生存権が保障されるなどにより、能動的服従、すなわち国家への忠誠が求められ応ずるので互恵関係である。
このような都市国家機能を物理的に維持発展させていく時、より多くのエネルギー消費を可能にする国家が繁栄する。環境問題などが肥大していく端緒である。しかしながら、この制度により、恩恵に浴する者とそうでない者、あるいは犠牲を強いられる者が出てくる。ヨーロッパでは産業革命期以後、日本では明治維新から顕著になった近代国家観を批判的に考察する。
以上を踏まえて上で、キリスト教共同体(教会論)とそのいとなみ(宣教論)について考える。
なお、受講者の関心があれば、認識の問題として西田幾多郎を精読するなどしたい。
授業内容は、体験・経験を重視し、たえず受講者との相談によって決めていくので、上記に沿わない内容もとりあげるかもしれない。

牧会心理学 (通年4単位)大西秀樹(1~4)

<講義の概略>

信徒およびその家族に心の問題が生じることは稀ではない。その際の適切な援助は本人およびその周囲にいる人々の心の安定を保つために欠くことはできない。したがって、心の問題を把握し、援助について学び、かつ実践することが欠かせない。
本講では、主に成人にみられる心の問題について解説するとともに、牧師として、本人および周囲に対しどのような援助を行えばよいか解説したい。
信徒に身体面の問題が生じることもある。身体の問題を抱えると、日常生活の変化から様々な心の問題が生じる。その際の精神的な援助および家族の援助について解説する。
死別は人生最大のストレスである。そのストレスの為、遺族に心身の問題が起きることも稀ではない。遺された人々のケアも重要な課題である。遺族に生じる心の問題およびそのケアについても学ぶ。

〈教科書〉

聖書:「よきサマリア人のたとえ」を読んできてください。

〈参考書〉

1. 命がけでユダヤ人を救った人々(キャロル・リトナー, サンドラ・マイヤーズ、河出書房新社)
2. 遺族外来(大西秀樹著、河出書房新社)
3. がん患者のこころを救う 増補改訂版(大西秀樹著、河出書房新社)

宣教学特講 (不定期、通年2単位)平良愛香 (1~4)

<講義の概略>

宣教者として現場で働く際に、学校ではほとんど(全く)教えてもらっていなかったという事柄にぶつかることがあります。また、長く現場にいても知識が無かったために対応に困った、という話を聞くこともあります。現場で学ぶことはとても大切ですが、「現場で学んでください」で片づけてしまうのではなく、神学校にいる間に少しでも多くの引き出しを持ってもらいたいと思い、宣教学特講を開講することになりました。宣教に関わるあれやこれや(宣教に関わらない事柄は存在しないのですが)を、いろいろな方をお招きしてお話していただきます。「この方のお話を伺いたい」「こういったテーマでの学びをしたい」などのリクエストも歓迎します。

日程: 火曜5限(不定期で月に1~2回) 16:20~17:50
スケジュール: 4月9日 宣教学特講とは(平良愛香)
その後の予定している内容(交渉中含む)「当事者研究」「手話を学ぼう」
「難民について」「他教派と出会う」「NCCとは」「模擬葬儀」ほか
決まり次第、掲示板とHPにてお知らせします。

履修していなくても単発での出席可能ですが、その場合は掲示板に掲示してある宣教学特講スケジュールに前週の金曜日お昼までに記名してください。(人数把握のため)

アジア諸語(ハングル)(通年4単位)鄭芝永(1〜4) 

<講義の概略>

本講座は韓国語を学び、韓国語の聖書を読むことを目的として設定しました。まず、韓国語の表記手段である「ハングル」文字を読むことから始め、次に音を「ハングル」文字で書くことを目指します。読むことと書くことを学び、韓国語の基礎文法を理解することに進みます。本講座では、主に、新約聖書から主イエスの語録を抜粋し、一緒に読むことや一緒に書くことを通して韓国語を学ぼうと考えています。

〈教科書〉

講師が準備します。

解放講座

解放講座C「性差別問題講座」(後期2単位)平良愛香(1~4)

<講義の概要>

「性差別はうちの教会にはありません」本当でしょうか。わたしは今まで「性差別のない教会」に行ったことがありません。では一体何が性差別なのでしょうか。
キリスト教は実は性差別がとても生まれやすい場でもあります。そのことに気づき、克服していくために、学んでいきます。
また「女性差別」「男性差別」といったジェンダー差別だけでなく、同性愛、バイセクシュアル、アセクシュアル、トランスジェンダーといった、セクシュアル・マイノリティーの課題(そこに向き合えない社会や教会の課題)についても学び、さらにそこから浮かび上がってくる新たな「性倫理」をともに模索していきたいと思います。
模擬結婚式や離婚式を通して、「結婚は果たして祝福か」ということまで踏み込めればと考えています。
(予定)教会のジェンダー差別、性の多様性、合意のない性関係(性暴力、セクシュアル・ハラスメント)、合意のある性関係(婚外交渉、セックスワーカー)、HIV/エイズと性差別、結婚とはetc.

〈教科書〉

なし

〈参考書〉

山口里子著「虹はわたしたちの間に~性と生の正義に向けて」新教出版社
平良愛香監修「LGBTとキリスト教 20人のストーリー」日本基督教団出版局

解放講座D「障がい者問題講座」(2単位、集中講義:9月下旬)島しづ子(1~4)

〈講義の概要〉

この講座は「障がい者差別問題」の視点から、自分自身を不自由にしている差別の問題を考える。
私たちは差別され、また差別をしてきた人間である。差別によってそれぞれがのびやかに生きることができないでいる。福音によって自由にされたはずの私たちだが、無知のゆえに、また、間違った価値観によって互いを縛っている。
私たちの中心には弱さがある。これ以上傷つきたくないから、互いに壁を作って自分を守ろうとしてきた。この在り方から互いの弱さを認め合える関係、弱さこそ互いの絆であることを考えていきたい。
扱う内容
・障がい者差別 2016年7月津久井やまゆり園の障がい者虐殺事件
・NHK「それはホロコーストのリハーサルだった:T4作戦障害者虐殺70年目の真実」
・アレン・ネルソンの人間性回復 心の底にある怒りに向き合う。トラウマからの回復。
・ブラック・ライブズ・マターに学ぶ 私たちの無知。公民権運動を担った人々。
・聖書の読み方から偏見を考える
・沖縄に暮らして。差別の連鎖とより弱い者への差別。
・福音を生きる。

〈参考書〉

・「私は戦争のない世界を望む」アルノ・グリーン著 村椿嘉信・松田眞理子訳 ヨベル
・ネルソンさん あなたは人を殺しましたか。
・「生きる技法」 安冨歩 青灯社
・「沈黙の壁を打ち砕く 子どもの魂を殺さないために」アリス・ミラー著 山下公子訳 新曜社
・「傷ついた預言者 ヘンリ・ナウエンの肖像」 聖公会出版
・「ギャンブル依存とたたかう」 帚木蓬生著 新潮選書
・「聖書を原語で読んでみてはじめてわかること」村岡崇光著 いのちのことば社
・「ユマニチュード」という革命 イブ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ著
・本田美和子日本語監修 誠文堂新光社
・「エロスと神と収容所 エティの日記」エティ・ヒレスム著 大社淑子訳 朝日選書

霊性

黙想入門講座 [前期二日間 1単位]佐藤研(1~4)

その1 [宗教人間学的考察]

日時:4月5日(金)午前9時〜午後4時 (1年生必修科目、2〜4年は選択科目、外部聴講可)
公開講座とする。(昼食持参)

<講義の概要>

「宗教的」という人間本来のあり方の基本構造を提示し、それに自覚的に肉薄するための道を探る。これは、キリスト教に信従する場合も、その根源的人間学として、無視することができない。逆に、この宗教的人間学的視点からすれば、キリスト教以外の「宗教」もそれぞれ基本的な正当性を持ちうることが納得できよう。

〈教科書〉

プリントを配布する。

〈参考書〉

講座の中で紹介する。

その2 [キリスト教と禅]

日時:4月8日(月)午前9時〜午後4時(1年生は必修科目、2〜4年は選択科目、外部聴講可)
公開講座とする。(昼食持参)

<講義の概略>

「宗教人間学的」な次元を忘却しがちなキリスト教への批判を試みながら、黙想的要
素とキリスト教の関わりを観察し、黙想のラディカルな典型としての「禅」がどのよ
うにキリスト教の刷新に寄与するのか、を考察する。

〈教科書〉

プリントを配布する。

〈参考書〉

講座の中で紹介する。

黙想 (8単位)高柳富夫・佐藤研(1年生は必修科目、2〜4年は選択科目、外部聴講可)

毎週(曜日は木曜日か金曜日)午後4時30分〜18時00分。
研修棟二階黙想室(禅堂)にて行う。
1炷(ちゅう)25分の坐禅を3炷、間に経行(きんひん:歩行禅)を行う。

一泊坐禅会 指導:佐藤研(ドイツよりオンライン)

(一年生は下記初回のみ必修科目、2〜4年は選択科目、外部聴講可)
4月15日(月・午前9時)〜16日(火・午前7時30分)
5月20〜21日、6月17〜18日、10月21〜22日、11月18〜19日、1月20〜21日は
自由参加、または選択科目として履修可(各1単位)。
詳細は追って告知する。

接心  指導:佐藤研(1〜4)(1年〜4年参加自由、または選択科目として履修可、外部聴講可)
12月16日(月)午後7時〜12月21日(土)正午(2単位)
3月24日(月)午後7時〜 3月29日(土)正午(2単位)
詳細は追って告知する。

〈講義の概略〉

禅接心を行う。
前提として、坐禅の仕方を知っていること、接心の概略を承知し、期間中は徹底した沈黙を守れること(不可の場合は接心継続参加を認めない)。全期間参加すること。

〈教科書〉

なし。

〈参考書〉

なし。

実習

農業実習Ⅰ・Ⅱ (通年、各8単位)松本吉氏(1〜2)

〈講義の概略〉

履修者と相談して、内容を組み立てます。
年間をとおして、変化する環境全体と農のいとなみを関連付けて理解できるようにうながします。
出席と積極性を評価の基準とします。

農業実習Ⅲ (各8単位、集中講義)アジア学院にて(3〜4)

夏季に3週間、アジア学院に委託して行われます。生活全般が農の営みに根ざす経験を通して、農を体験的に理解する実習です。猛暑の中での労働、言語外のコミュニケーション能力、実践的な英語能力が求められるので、希望者の適性を担当者が考慮したうえで推薦を受ける場合にのみ、受講ができます。
なお、英語の実践力は判断の基準ではなく相手を理解したい、大切なことを伝えたい、人とつながりたいという心理的な側面が重視されます。体力的にあまり自信のない方でも長期間にわたる日常からの準備があれば、可能となりえますので、詳細は担当者にお尋ねください。

寿現場学習(8単位)  不開講(3~4)

不開講

台湾実習(8単位) 不開講(3〜4)

不開講

論文及び研究活動

論文及び研究活動

卒業論文(8単位) 教師会(4)

卒業研究(8単位) 教師会(4)

自主講座

以下の授業は、自主講座として行われるもので、単位にはなりませんが、希望する学生は聴講・参加が可能です。

○ オルガンⅠ 三宮千枝(1〜4)

〈講義の概略〉

礼拝奏楽のためのリードオルガン奏法、各人に応じた個人レッスン。

〈教科書〉

♪初歩の人 島崎赤太郎編『オルガン教則本』
『初歩からさんびかがひけるまでのオルガンテキストブック』1〜4(キリスト教音楽センター)
♪オルガン教則本終了程度の人『ラインハルト・オルガン教本』(日本基督教団出版局)

〈参考書〉

『讃美歌21』、大中寅二『礼拝用オルガン小曲集』『オルガン聖曲集』等。

○ オルガンⅡ 三宮千枝(オルガンⅠ既習者、Ⅰ未習者は要相談)
〈講義の概略〉
礼拝奏楽のためのリードオルガン奏法、個人レッスン。オルガン実技Ⅰ履修者対象。

〈教科書〉

オルガン実技Ⅰで使用の教科書の続き、『讃美歌21』

〈参考書〉

J.S.バッハ『オルガン曲集』等、適宜。

○ 神学読書 (1〜4)
神学書(の定義は自由です)一冊(場合よっては複数冊)を担当教師と読んでいきます。一対一の授業ですが、担当教師一名に複数の受講生でも可能です。受講希望者と相談の上、担当教師を決定します。読む神学書は受講者と担当教師で決めてください。英書を選ぶ場合は「英書講読」となります。

○ 英書講読 (1〜4)
神学読書を英書で行います。神学読書の内容については、「神学読書」の科目要項を参照にしてください。